11月21日(木)~26日(火)まで開催の北陸初の香林坊大和「鈴木英人の世界展」で展示販売する作品の紹介です。
本日は、展示販売する版画の紹介、パート2です。展示会場でのみ購入可能な作品も多数あります。
ご来展お待ちしております。
SIZE: 396×600mm 1993年 シルクスクリーン エディション数:250
額装価格:500,000(税別)※展示会場のみ販売作品
午前11時に予約をしておいたビーチ迄1時間あまりの道のりを私の駿馬の力を借りて行くことになった。
60馬力の黄色いスポーツ・ウェアをまとったボディコン娘は、私の宝物だ。
エンジンはキーに触れただけで一発でエナジーした。
アクセル・ペダルを軽く足で触れるだけでエナジーラインは急速に登りつめようとして、レッド・ゾーンに足を踏み入れてしまう。
ギアを1速に入れて、アクセルでエナジーすると瞬時にして海岸道路まで走った。
固めの足廻りはアスファルトの継目をバツンと拾って、ボディコンシャスがエナジーを謳歌して、上下に小刻みに振動する。
たまらない、この走りは他の何モノにも変えることが出来ないと褒めると、この上なく喜んで路面をしっかりと捕まえて、さらにエナジーする。
1時間のエナジークルーズはリザベーションしておいたアイランド・クルーズの取材を大いに盛り上げることとなった。
夕方セスナを降りて、私の駿馬へ戻ってくると、彼女は幌を閉じて静かに私を待っていた。
SIZE: 416×700mm 1994年 シルクスクリーン エディション数:150
額装価格:500,000(税別)※展示会場のみ販売作品
秋の始まりを少々肌で感じ取ることの出来る9月の終わりに、地中海の南フランスに近いコルシカ島へ向った。
ニースから飛び立って1時間程の飛行でバスティアの空港へ着陸した。荒涼とした印象の強い島の平坦な土地に小さな空港があって、フランスというよりもイタリアの島といったラフさがあった。
ラフな空港の前にある、やはりどことなくラフなレンタカー屋に行って車を借り出した。バスティアから193号をゆっくりと南下することにした。車はプジョー604を借り出した。
ヨーロッパではオートマティックギアは少なく、スティックギアを選択した。3人のクルーと大荷物を乗せて、長く曲がりくねった遠い道を、かなりのハイスピードで駆け抜けた。
いったいこの島は交通法規など存在するのだろうか。超法規の免罪符を持たない我々にとって、スピードオーバーでジェイル入りなどご免こうむりたいのだから……。
果たして、交通標識など、どこにも見当たらないのだから、ここの島民は皆レーサーなのだろうと、決め込んでしまい、ずっと超法規で過ごしてしまうことになった。
島の南に近いアジャクシオ(AJACCIO)迄の約200kmをまるでラリーをしているかのごとくに走り巡った。
♪ザ・ロ~ング・アンド・ワインディングロォォ~ド♪♪”歌ってどうするんだーっ”と、後部座席のコーディネーターが、思わず失禁してしまったようにポールの歌を歌った私を大声で叱った。
長く曲がりくねった道の中腹に小さなホテルがあったので、スピードをゆるめてそこで少し正気に戻ったのは、何を隠そう、鈴木エイジンその人だった。
SIZE: 429×530mm 1994年 シルクスクリーン エディション数:200
額装価格:600,000(税別)※オンラインショップで購入可
ぼくの好きな、アメリカ北東部、ケープコッドの最も大西洋に突き出たポイントが、この美しいビーチだ。いまから10年程以前に、この風景を描いている。
版画として、30枚余りをリトグラフで刷った。発表後しばらくして売れてしまった。
単純な、良く目にするような風景なのに、予想をはるかに越えて、多くの人々に好かれてしまったようで、その後、このナイ作品へのラブ・コールが、10年程続いた。
ぼくの好きな、美しい海岸は、ふたたび、描くことによって、生まれ変わった。
STAY・GOLD…砂に残された足跡を人生の輝きに思えるようにと、金箔を貼った。美しい海岸の夜明けのイメージは、またしてもラブ・コールが甦った。
SIZE: 475×665mm 1994年 シルクスクリーン エディション数:150
額装価格:500,000(税別)※展示会場のみ販売作品
マイアミ—ロング・バケーションを計画したら、是非過ごして欲しいのが、このフロリダ半島だ。少々ウエットで、ハリケーン・ブリーザーやトルネードなど、吹き荒れる嵐とキャッツ&ドッグのドシャ降りの大雨などたくさんあるが、ぺニンシュラ全体がマリーン・リゾート一色で塗り潰されていると言っても良い。
何度も取材旅行をした、このマイアミは、フロリダ半島の中でも取り分け素晴らしいところで、アメリカ北東部やカナダの避寒地として冬期に賑わいを増す。
もちろん、ぼくが取材に行くのも10月から3月ぐらいまでが最良なのだ。
ただし、その時期になると、ホテルの値段が夏期の倍ちかくになってしまうので 少々高くつく。取材を終えた後、こんな家に黄色い車で帰って来たら黄色の月が出迎えてくれるなんてことがあったらいいな。
SIZE: 250×174mm 1994年 シルクスクリーン エディション数:500
額装価格:150,000(税別)※オンラインショップで購入可
ふたりが、いつも居る場所は、こんなところ。
陽が登ってから、落ちるまで、毎日、ここで海を眺めて暮らしている。
午後、陽が西に傾く頃に、遠くの家が青く シルエットに浮かび上がる。
美しい風景の中に暮らすふたりは、ゆっくりとした時の流れを楽しんでいくことが生きがいとなっている。
午後からサンシェイドの下で、降りそそぐ陽のこもれびのシャワーを浴びて、ふたりは素足で組んだ、陽焼けした足を組み返すこともなく静かに流れに身をまかせて過ごす。
SIZE: 390×470mm 1995年 シルクスクリーン エディション数:150
額装価格:450,000(税別)※オンラインショップで購入可
マイアミビーチ・シティ、オーシャン・ドライブ、トロピカルデコのレストアされた古いホテルが並ぶ南北に2km程のビーチ・サイドに、美しいいつものお馴染みの赤い356がいた。
ストーンガードをヘッドライトに設えて、ピンクやエメラルドにペイントされた、ホテル・カーライルの前におとなしく待っていた。
ホテルに行ったのか、それともホテル前のビーチで遊んでいるのか、オーナーの姿は見当たらない。
少々、年代を遡ったデザインのドレスを纏っているが、美しくグラマラスな女性なのに…。
こんな所に、ひとりで置いていて心配ではないだろうか?
ビーチサイドの人々の視線を受けながら、スターライトのようにキラキラと降りそそぐ光の中で、白昼のオーシャン・ドライブは、今日も賑わいが絶えない。
SIZE: 405×815mm 1995年 シルクスクリーン エディション数:200
額装価格:500,000(税別)※オンラインショップで購入可
スイスのチューリッヒの大きな湖を一周した。
緑の丘とアルプスに近い残雪の山々を楽しみながらのクルージングとなった。
ぼくの好きなポルシェ356でヨーロッパを隈なくクルージングするのは、これからの楽しい夢だけれど、このレイク・トラックを走っていると、その時の様子が鮮明に目の前に浮ぶ。
空気中に澄んだ光が結晶を作って降り注いでいるではないか。ああ、こんな日が早くやって来るといいな。
SIZE: 695×480mm 1995年 シルクスクリーン エディション数:200
額装価格:500,000(税別)※オンラインショップで購入可
南フランスのマルセイユから東に向って海岸線を走って行くと、サントロぺとマルセイユの仲間ぐらいに、カシスという小さなハーバーがある。
このハーバーに着いた時、ここに泊まりたいと思った。
散歩をすぐに始めても、ここに少しでも多くいたいという印象は変わることはなかった。
一日中、シャッターを押し続ける程、ここには南フランスの小さなハーバーの魅力に溢れていた。
ハーバークルーズの古い乗合い船が、ゆっくりとこちらにやって来る。
このシーンを、後に日本へ帰ったら必ず描こうと思って撮った一枚だ。
翌日、朝食をホテルで食べずに、ハーバーの肉屋に行って、旨そうなハムを1枚スライスしてもらって、またしても旨そうなべーグルに挟んで食べた。
こんな旅なら、いつまでも続けたいものだ。
SIZE: 200×196mm 1995年 シルクスクリーン エディション数:500
額装価格:150,000(税別)※オンラインショップで購入可
大西洋に浮かぶ小さな孤島がある。
英国統治領の美しい島、バミューダ・アイランドだ。
この美しいリゾート・アイランドにもゴルフ場がある。
この島のゴルフ場も他と同じように起伏のある丘のコースが多い。
アメリカでは海に面したプベルビーチのゴルフ・コースもあるが、ほとんどは丘のコースが多いのだろう。
南の花が美しく咲きみだれて、パームトゥリーが林立して、オーシャン・ブリーズが体に心地よくて……
海岸にあるゴルフコースを描いてみた。
SIZE: 500×354mm 1995年 シルクスクリーン エディション数:200
額装価格:400,000(税別)※オンラインショップで購入可
冬が終わると春が来る。
永かった冬の寒さの中で眠り続けてきた身には、なによりの朗報が春の知らせだ。
生き返ったように、葉山にも春の芽が出そろう頃、人々が我が春の街にやって来る。
春からというもの、夏の目眩く輝きの日々まで我が街に人がたくさんやって来る。
この夏、ぼくの元にひとりの女性が訪れた。
若くて美しいひとだったが、ぼくは初めて会う人で、仕事で来たのだから特別にもてなしたつもりではないが、夕方でもあったので食事をしてもらって帰すことにした。
その日も一日中、強い陽射しの中にいたので、夕方になって気温が下がることが楽しみだった。
葉山の和風レストランのバーに涼しい風が吹くようになってから、2人で行った。
世間話しをしながら、バーカウンターに並んでいる訪問者の横顔をそっと見た。
目眩く、あの夏の日々、若い二人が情熱のすべてを傾けて恋愛をしていた頃を想い出した。
二人はその年の夏になるまでに数年間を互いに愛し合って過越して来た。
その夏二人のエネルギーは頂点を極めたかのように燃焼した。
二人は決して燃え尽きるつもりはなかったのに情熱の勢いを抑えることが出来なかった。
その年の夏が終わる頃に最高の昴りを迎えた二人に、別れがやって来た。
燃え尽きたそのひとは秋になって遠くに旅立ってしまった。
それから20年余り経ったこの夏、バーのぼくの隣で酒を飲んでいる、あの人に似た訪問者が、あの夏の日々を想い出させてくれた。
葉山の花火を、毎年このレストランで見る。美しい花火の輝きを見ていると、いつも若き日のもう帰って来ることのない情熱を想い出す。
果てしなき夏の日々に乾杯!