1992年 イメージサイズ:478×671mm リトグラフ
生粋のアメリカン・アーティストとして有名なエドワード・ホッパーが人生の半分以上を過ごしたといわれているケープ・コッドを私は訪れた。ホッパーは私の 最も好きな画家である。ホッパーが描いた建物やガス・ステーションなどの風景はケープ・コッドとその周辺の佇まいで、彼の愛してやまないニューイングラン ド風の素朴で美しい土地なのだ。私はこの土地の一番先のプロビンス・タウンに何回も訪れている。いつもニューヨークに行くと必ずといって良い程行くことにしている。この日は、海岸へ行って、海と遊んだ。その帰り道にこんな風景を見て、ホッパーを思い出したのだ。もしかしたら、ホッパー先生もこの道を、こうして海から歩いたかもしれないと想った。暖かき良き我家に帰る。男のホーム・シックである。この絵のタイトルももっとカッコ良く”家路”とすればよかったなと、この原稿を書きながら思った。