1987年 イメージサイズ:673×477mm リトグラフ 限定枚数:30枚
SEE’S CANDYというアメリカで有名なアメ玉の会社があるが、わたしのように甘いものよりも塩辛いもので酒を飲むことが好きな者には、アメリカのアメ玉など、ほとんど知ることがない。「ひとつぶで300メートル」という、ハイポテンシーなキャッチフレーズで有名な日本のグリコキャラメルなら、そのスウィートな 味を覚えている。森永ミルクキャラメルや、不二家のミルキーとか、カバヤキャラメルなどもあったが、なんとなく食糧の一部分といったイメージがあって、味を楽しむよりも、食することをアリガタイトオモイナサイといわれているようで、あまり良い思いの記憶がない。ガン玉と呼ばれた駄菓子屋で売られていたキャンディーがある。口に頬張ることが不可能なくらいに大きくて、5円で買うことが出来たが、貧しさが露骨なくらいに外見に現れていて、喉に詰まらせて死んだ 子も当時いたくらいにみっともない代物だった。小つぶな、品のいい甘さのアメリカンキャンディーなんて、わたしの口が恥ずかしがって、いまだに口にしたことがないのであります。