鈴木英人は、南フランスのニース・カンヌ・コルシカ・コートダジュール・サントロペなど様々な街の作品を描いています。今回は南フランスの作品12点を紹介します。
南フランスのカンヌに近い下町の市場に取材に出かけた。ハムやバター、チーズの香りとカフェオレにフルーツとハーブ、賑やかな香りだけでも充分に満腹なのに犬や猫までもが大人たちに混じっておしゃべりの真っ最中だ。季節は9月の暑い最中、カンヌの取材も3日目でへこたれていた。午前10時とはいえカフェは満杯の客で溢れかえり、細い道にまで人で、ワイワイガヤガヤ、もう我慢も限界、カフェでバーカウンターにまっしぐらをしたEIZINは腰を据えてビールを何杯でもいただくつもりになったのです。
2012年作(イメージサイズ491×525mm E.M.グラフ) 額装価格 275,000円
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南フランスのニースにある下町に庶民のピザ食堂があった。まだ準備中だったけれど、オシャレなフランス娘の乗って来た、ファニーなみにくいあひるの子(2馬力のシトロエン2CV)が鎮座していたのだ。思わずニヤリと笑ってしまった。あまりにも出来過ぎの光景に舌鼓を打ってしまった。まだ午前10時頃だったのでお客さんはいないが…バランス100点でもう描くしかないだろうの光景でした。
2012年作(イメージサイズ650×413mm E.M.グラフ) 額装価格 275,000円
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南フランスのコルシカ島にボニファシオという観光地がある。古城の街並とナポレオンで有名だ。空港からレンタカーを借りてやって来た。古城をゆっくりと巡礼した。昼間はブイヤベースで食をとり丘に登った。いい眺めだ、軽い汗をかいた体に丘に流れる潮風がとても心地よく、カモメだろうか?空を飛びかっていた。遊んでいるわけではないのだろう…。ぼくは目の前にあった安っぽいがパラダイスなテラスに腰をおろした。まずまずな良い取材だ。
2012年作(イメージサイズ 682×520mm E.M.グラフ) 額装価格 330,000円
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南フランス最大のリゾート・エリアにニースがある。紺碧海岸、白い砂浜、トリコロール・パラソル、トップレス・ビーチ、ピンク・シヤンバンと世界中の人々の憧れが日常の街だ。その海岸通りから1本中に入った商店街が・‥嗚呼!何に例えたらいいのだろう‥・この混沌とした雑踏とざわめきの圧倒的な迫力、‥・たちまちの内にこの界隈の虜になってしまったぼくは、しばらくの閤、夢遊病のように徘徊を繰り返すことと成った。ランチ・タイムに、街路に簡易なテーブルを出している”QUICK”というコンビニ・レストランでナポリタンとビールを気軽にいただいた。混沌と猥雑、阿鼻糾喚の美しきニース商店街、描くのに一ヶ月、ぼくは雑踏に埋没した。
2011年作(イメージサイズ430×610mm E.M.グラフ) 額装価格 275,000円
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人間は、如何にして楽園に到着出来るのか、如何にして巡り会えるのか……。南フランス、リビエラ、コートダジュール、なんと美しい響きの言葉なのだろう。 紺碧の魅惑的な内海を抱く夏のリビエラ……。楽園の夜明けはニースの美しいホテル、ウエストミンスターコンコードの中で目覚めた。昨夜からの末永いワイン の幸福から開放された私の肉体は、体ごとでカフェオレとパンをむさぼった。午前中の取材をするために車に飛び乗ってニースの海岸線を走り回った。フィルム にして10本程の収穫は私を大胆にした。幸福を分かち合うことにしよう。ニースから少し離れた美しい漁港で、クルーにワインとブイヤベースを振舞った。南 フランスの楽園へようこそ!日々の糧にありがとう!ブイヤベースとワインにまみれた楽園三昧の2時間程に―――この美しい風景を必ず描こうと心に決め込んだ。
1993年作(イメージサイズ478×673mm シルクスクリーン) 額装価格 550,000円
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南フランスのサントロペの波止場にいた。20年程前のことだ。パリからマルセイユ、そしてカシスと海岸線をゆっくりとイタリアに向って旅をしていた。サントロペはマルセイユと比べるとほどよく小さな保養地として名高く、波止場も賑わい多く、各国の船がギッシリと停泊してバカンスを楽しんでいる様子が見える。そんな波止場には、カフェやバーがたくさん面していて、人々はそんな店で陽射しを避けて、飲み物とオシャベリで時間を費やしている。誰がこんなオシャレな車を乗りつけたのだろう。後姿の大柄の美しい女性なのだろうか。想像は大きく膨らんで、カフェで待っている人はどんな男なのかと、もしかしてマフィアのボスなのか?そんなこと、どうでもイイでしょ。キレイだから。
2010年作(イメージサイズ520×574mm E.M.グラフ) 額装価格 330,000円
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2001年作(イメージサイズ580×418mm E.M.グラフ) 額装価格 264,000円
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サントロペを訪れたのは1994年だった。パリドゴールからニースまでジェットで飛んだ。ニースから車を借りてカンヌ、サントロペと取材を重ねた。サント ロペは、賑やかな港街だった。港には大きなプレジャーボートやヨットがところせましと繋留していて、目の保養にになるのは言うまでもない世界中から乗って くる船と人々が港で楽しんでいる。そんな中で珍しい船を見つけて立ち止まった。イギリスから来た木のヨットだ。美しい佇まいにしばし目が眩んだ。いったい どんな人がオーナーなのだろうか?王室方々か、貴族か、またしてもしばしの白昼夢のなかに真紅のフェラーリが乗りつけられた。長い溜息が出つづけて一日だった。
2008年作(イメージサイズ704×480mm E.M.グラフ) 額装価格 352,000円
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1960年代のアメリカン ストリーム ラインの華やかなアメリカ車がヨーロッパに多く走っていた頃があった。その頃欧州では小型車が多く6メートル近い流線型で羽の付いた車など、ロング アンド ワインディングロードを走ることなど危険で眉をひそめて、後指さされること必至だったのだ。ましてや燃料費は2~3倍もかかるのだから、…。もうほとんど今は残っていないだろうと思われたが、ぼくはニースで海岸線を走る、羽根付の一台のアメ車を目撃してしまったのだ。いやはや何とも新鮮だった。無駄だらけ間違いだらけのアメ車の堂々と走る姿は美しくもあった。ポルシェでもフェラーリでもとてもかなわない裸の王様の姿があった。
2013年作(イメージサイズ600×450mm E.M.グラフ) 額装価格 297,000円
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カンヌだったかニースだったのか、南仏の海岸通りを1~2本山側に入った下町に足を踏み入れた。午前10時頃で昼の支度に忙しい主婦たちが何やらデリカテッセンかパン屋のような店に行列していた。ふと横には、車両関係のミッチェルさんのガレージが木漏れ日にむせ返っているではないか。光がすべての物事を覆い隠そうと燦然と輝いていたのだ。どこにでも美しいシーンは存在するのだ。あえて下町の昼支度をここに描いたには、光の有様を描くのがぼくのテーマだと思うようになって来たからだ。何でもないありふれたシーンだからこそ、見なれた状況だからこそ、そこに、ある一瞬だけ光が見せてくれる芸術があるのだ。ぼくはいつもそんな光景をみつけようとしている。
2010年作(イメージサイズ460×650mm E.M.グラフ) 額装価格 330,000円
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St-Tropez(サントロぺ)で2~3日、美しい港とランデブーをした。美しいサントロぺ湾内に在るポートをくまなく散策して、サントロぺのお嬢さん 達とそぞろ歩きして……白日の夢。白昼に南フランス、サントロぺ在住の19才になったばかりの美しいお嬢さんを、私のスピードスターにたったひとつしかな いパッセンジャーズ・シートに座っていただいて…、もう何がなんだか解らないままに、南フランス所有の98号海岸道路に繰り出してしまった。この上なく美 しい愛車に、それよりももっと美しいサントロぺのお嬢さんを乗せた、私の頭の中は…!!「青春は一度しかないと聞いていたのだが、それは嘘かもしれな い。」と、この言葉を年甲斐もなく繰り返しうわずってしまうような状態だったのだ。98号線をカンヌに向かってエナジーして、地中海の香りを体中に感じな がら小高い丘の小さなレストランにすべり込んだのは……。これから先は、もう言えないほど、美しい白昼夢だったのだから。
1994年作(イメージサイズ496×702mm シルクスクリーン) 額装価格 550,000円
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南フランスのニースにある下町に庶民のピザ食堂があった。まだ準備中だったけれど、オシャレなフランス娘の乗って来た、ファニーなみにくいあひるの子(2馬力のシトロエン2CV)が鎮座していたのだ。思わずニヤリと笑ってしまった。あまりにも出来過ぎの光景に舌鼓を打ってしまった。まだ午前10時頃だったのでお客さんはいないが…バランス100点でもう描くしかないだろうの光景でした。
2012年作(イメージサイズ580×445mm E.M.グラフ) 額装価格 275,000円
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