原画作品・版画作品の解説
原画作品|パントーン原画
スミ線で描かれたトーンラインだけの被写体にパントーンカラー・オーバーレイ(210色の色ペタから構成された接着剤付きのアセテートフィルム)を貼りスミ線にあわせてカッターで切り、余分な部分のオーバーレイをソルベントシンナーを使ってピンセットでゆっくりと剥がします。30色から50色のオーバーレイを貼ることで仕上げられた表面を、固いラブトーン(フィルム類をこすって貼る道具)でしっかりと定着させて完成させます。
80年代から2000年まで、鈴木英人オリジナルの技法として作品を制作してきましたが、現在材料のパントーンが生産中止になり、あらたな作品は作ることができなくなりました。
版画作品|リトグラフ
80年代の版画作品
「石版画」ともいい、平らな版材に油分を含んだ描画材で直接絵を描き、薬品で処理を行うことによって紙に刷りとる版画技法です。初期のEIZIN作品はリトグラフのシンプルな構図で制作されています。看板、アメリカの裏町、古いアメ車など。
版画作品|シルクスクリーン
90年代の版画作品
原版に穴をあけてそこから紙面にインクを刷り込む「孔版」と呼ばれる版画技法のひとつです。ポルシェ、フェラーリ、ヨット、アメリカの街並み、リゾート地など。皆さんがイメージするEIZIN作品の多くはこの技法の時代です。
版画作品|E.M.グラフ
2000年以降の版画作品
近年制作された鈴木英人独自のデジタル版画技法(EIZIN METHODの略)です。一般にはジークレーといわれる技法です。
リトグラフ、シルクスクリーンの作品と比べて多色になり、グラデーションも使い、鮮やかな色合いが完成されています